
ブラックジャックのベーシックストラテジー
こんばんは、ラスベガスでカジノディーラーをしている片桐ロッキー寛士です。ブラックジャックで実際に遊んでみると、選択肢がいくつもあってその中からどれを選べばいいのか、考えたり悩んだりしてしまう場面が出てきます。詳しいルールや賭け方はこちらへどうぞ ↓
♠ ブラックジャックの基本ルール
♥ ブラックジャックの賭け方とオプション
しかし、ブラックジャックにはこの場合はこうするべき、その場合はそうするべき、とシュチュエーションによって取るべき行動が数学的に割り出されたベーシックストラテジー(基本戦略)というものが表になって存在します。表の通りにプレイするだけで、控除率は下がり、高い期待値を得ることができるようになっています。まずは表を見てみましょう。
ブラックジャックのベーシックストラテジー表
ベーシックストラテジーの表です。見方はとても簡単、左タテに並んでいる数字がプレイヤーのハンド、上ヨコに並んでいる数字がディーラーの見せているアップカードです。その2つが交差する所に書かれている記号がその時にするべきアクションとなります。
※ このベーシックストラテジーが有効となる条件は、ディーラールールがソフト17ヒットです。
- H :ヒット S :ステイ Dh:ダブルダウン(できなければヒット)
- DS:ダブルダウン(できなければステイ) P :スプリット
- Ph :スプリット(スプリット後のダブルダウンができなければヒット)
- Rh :サレンダー(できなければヒット)
- Rs :サレンダー(できなければステイ)
- Rp :サレンダー(できなければスプリット)
例えば、プレイヤーが合計16を持っていて、ディーラーのアップカードが7だとすると、交差する所にはHと書かれているのでヒットとなり、プレイヤーが9,9を持っていて、ディーラーのアップカードが7だとSと書かれているのでステイとなります。
ブラックジャックストラテジーの考え方
ブラックジャックストラテジーを語る上でキーになるカードが10,J、Q、Kのフェイスガードです。フェイスガードを引く確率は4/13、確率にすると32.5%にもなります。
これはディーラーも同じ条件なので、プレイヤーはディーラーのアップカードの下に伏せて隠れているホールカードを常にフェイスガードだと考えるのがセオリーになっています。表をよく見てみると、全てディーラーのホールカードがフェイスガードだった場合を想定しての行動が記されているのが分かるかと思います。
例えば、プレイヤーが9,9を持っていて、ディーラーが7を見せている時、表を見てみるとステイとなっていますよね。これはディーラーのホールカードを10と考え、ディーラーは合計で17を持っていると想定し、9,9を分けずに、合わせて18で勝負した方がいいということになるわけです。
全ては確率の元での話なので必ずそうなるとは言えませんが、1つ言えることは、確率は長い目で見ると必ず収束する、ということです。これがほとんどのブラックジャックプレイヤーがベーシックストラテジーに沿ってプレイする1番の理由だと思います。
おまけ
最後に、もう1つのベーシックストラテジーです。これが有効になる条件はディーラーが全ての17でステイする場合のみ、そして使われるカードは上と同じく4〜8組です。ラスベガスでこのディーラールールが適応されているブラックジャックは基本的にハイリミット(賭け金レートが高いテーブル)にしかありません。大きく勝負をされる方、したい方は是非こちらを参考にしてみてください。
- H :ヒット S :ステイ Dh:ダブルダウン(できなければヒット)
- DS:ダブルダウン(できなければステイ) P :スプリット
- Ph :スプリット(スプリット後のダブルダウンができなければヒット)
- Rh :サレンダー(できなければヒット)
ブラックジャックのストラテジーチャート使い方解説
ブラックジャックではストラテジーチャート(戦略チャート)という表を使って、確率に 基づく戦略的なプレイをすることができます。ストラテジーとは「戦略」という意味です。
ストラテジーチャートではプレイヤーに最初に配られたカード2枚と、ディーラーのオープンカードの情報から次にとるアクションが決められていて、このチャートを見ながら プレイすれば負けることが少なく、安定したゲームをプレイし続けることができます。
-このページ内でのコンテンツ目次-
1. ストラテジーチャートの見方
チャートは一見複雑そうに見えますが慣れると次のアクションが分かるようになります
赤のHが「ヒット」、青のSが「スタンド」、オレンジのDが「ダブルダウン」を表しています。右下にあるピンクのHは「ヒット」を表し、ルールにサレンダーがある場合 にはサレンダーをしてください。
では、チャートをどのように活用するのか例をあげて見て行きましょう。
まず最初のターンでのプレイヤーとディーラーのカードを確認します。例えばプレイヤーに最初に配られたカードの合計値が「10」で、ディーラーのオープンカードが「4」であったとします。
ではチャートを見てください。
プレイヤーの最初の2枚のカードの合計値は「10」なので、10の横軸を見ます。
次にディーラーのオープンカードは「4」なので、4の縦軸を見ます。
そして最後はそれぞれの軸の交点となっている部分を見ます。
その交点に書かれてあるものが次に起こすべきアクションです。
今回の例でチャートを使えば・・・
上の図のように、勝利する確率がやや高くなります。
2. ストラテジーチャートの種類
このチャートはプレイヤーが最初に引くカードの中身によって種類が分けられています。1で紹介した通常のチャートを使うだけでももちろん効果はありますが、「Aを11として数える場合」と「同じカードが出た場合」のチャートも合わせて使うとより効果が高まります。
図の一番上にある、1で紹介したストラテジーチャートは「A」を「1」として数えるパターンで、ハンドの「A」を「1」として数える事を「ハードハンド」といいます。その下の「ソフトハンド」のチャートはハンドの「A」を「11」として数えるパターンとなっています。
一番下の「スプリット」のチャートは同じカードが出た場合のパターンです。
それぞれの図は1で紹介したものとほとんど同じ見方ですが、新たに「スプリット」を表す「P」が追加されていますので、チャートを使ってPに該当する場合には、スプリットを選択して下さい。
では実際に、それぞれのチャートの使用例を見ていきましょう。
ストラテジーチャート(ソフトハンド)の使用例まず始めにプレイヤーへ最初に配られたカードに「A」があるかどうか、そして「同じカード」があるかどうかを確認します。
プレイヤー側に「A」がありましたので、この場合「ハードハンド」か「ソフトハンド」のどちらかのチャートを使う事になります。今回、合計値を「18」にしたいので、「A」を「11」として数えて「ソフトハンド」のチャートを使います。
プレイヤーのカードは「A・7」で、ディーラーのオープンカードは「10」です。
これをチャートで確認すると次のようになります。
ソフトハンドのチャートで該当の軸の交点にあるのは「H」でしたので、次に打つべき 手は「ヒット」と言う事になります。今回の例でチャートを使えば…
上の図のように勝てる確率がやや高くなります。
ストラテジーチャート(スプリット)の使用例
まず始めにプレイヤーへ最初に配られたカードに「A」があるかどうか、そして「同じカード」があるかどうかを確認します。
今回はプレイヤーに「同じカード」がありましたのでこの場合「スプリット」のチャートを使う事になります。
プレイヤーのカードは「8・8」で、ディーラーのオープンカードは「10」です。
これをチャートで確認すると次のようになります。
スプリットのチャートで該当の軸の交点にあるのは「P」なので、次に打つべき手は「ス
プリット」と言う事になります。今回の例でチャートを使えば・・・
上の図のように勝てる確率がやや高くなります。
3. ブラックジャックを練習してみよう
それではストラテジーチャートを使ってブラックジャックをプレイする練習をしてみましょう。2で紹介したチャートの画像をダウンロードして、それを見ながら問題に挑戦してください。
Q.1
最初のターンで上の図のような状況になった場合、次に取るべきアクションは何でしょうか?
A.
ストラテジーチャートの使い方
Q.2
最初のターンで上の図のような状況になった場合、次に取るべきアクションは何でしょうか?
A.
Q.3
最初のターンで上の図のような状況になった場合、 次に取るべきアクションは何でしょうか?
A.
Q.4
最初のターンで上の図のような状況になった場合、次に取るべきアクションは何でしょうか?
A.
4. ストラテジーチャートの使い方 まとめ
このチャートは3つの種類を使い分けるので、慣れるまでに少し時間がかかりますが、見方さえ分かってしまえば、後は表を見るだけで適切なアクションが取れるようになります。
何度もチャートを見ながらプレイしている内に、どの組み合わせの時に何のアクションを選べば良いのかという事が自然とわかるようになってきます。たくさん練習を積んで数をこなしてとにかく慣れましょう。
リアルカジノではチャートを持っていって現場で使うのが難しいですが、オンラインカジノなら気軽にチャートを見ながらプレイ出来ます。このページで紹介したチャートの画像をダウンロードして実際に使ってみて下さい。
プレイするブラックジャックのダブルダウン
- ダブルダウンとは?
ダブルダウンというのはブラックジャックにおいてプレイヤーだけに認められる特別ルールの一つです。最初の2枚のカードを見てから賭け金をを2倍にする事ができ、その後もう1枚だけカードを引くことが出来るというルールとなっています。
- ダブルダウンのやり方
- ダブルダウンをするときは、自分のアクションに来たら最初のチップの横に同額のチップを置いて「ダブルダウン」と宣言します。人差し指を立てるジェスチャーをします。
- ヒットしてしまった後はダブルダウンはできません。ダブルダウン後は必ずヒットしなければなりませんのでバーストする可能性がない手で行います。また4枚目のヒットはできません。3枚で勝負することになります。
- カジノによってはスプリット後もダウブルダウンができる場合もあれば、カード合計値が「9、10、11」の時のみダブルダウンできる場合もあります。
- カジノごとにダブルダウンのルールは細かく違いますが、共通しているのはダブルダウン後はカードを1枚しか追加できないという点です。
- ダブルダウンの基本戦略
ダブルダウンは基本的には自分の手札が明らかにディーラーより有利な場合に行うアクションであると考えるのがセオリーです。ダブルダウンが使えるタイミングをストラテジーとしてまとめると以下のようになります。
- 前提として、絶対にバーストしない時に使う。
- 手札の「10か11」にハイカードの「8、9、10」を追加しようとするときに行う。
- ディーラーがバストする確率が高いディーラーのアップカードが「3〜6」の時に行う。
- ディーラーのアップカードが「A」「10または絵札」の場合は、ディーラーがバーストする可能性は低く、ダブルダウンで小さい数字を引けばプレイヤーが負ける可能性が高いので、ダブルダウンする必要はありません。